旦那の小さな家事

旦那の家事と育児、健康を考えるアラフォー男のブログ

読書感想『知的生産の技術』~知的生産の技術で整った生活の価値が見えてくる~

ノートの取り方や、メモを取る意味、そして整理と整頓がなぜ大切か。

知的生産を向上するために、どのように取り組めば良いか、著者の梅棹さんの実体験を踏まえた意義付けから方法まで丁寧に掘り下げられていて学びが多い内容になっています。

題は「知的生産の技術」ですが、いかに創造的に物事に取り組むか、そしてその意義は何か、と生活に活かせる内容になっていると思います。

好きな文章の紹介と合わせて書かせて頂きます。

 

目次

 

秩序としずけさ

私が大好きな文章を紹介します。

5.整理と事務~秩序のしずけさ~より抜粋

“秩序と静けさ…これはむしろ、精神衛生の問題なのだ。つまり、人間を人間らしい状態につねにおいておくために、何が必要かという事である。簡単に言うと、人間から、いかにイラつきを減らすか、という様な問題なのだ。整理と事務のシステムを整えるのは、『時間』が欲しいからではなく、生活の『秩序としずけさ』が欲しいからである。…知的生産の技術の一つの要点は、…日常の知的活動にともなう情緒的乱流を取り除く事だといって良いだろう。精神の層流状態を確保する技術だといってもよい。努力によって得られるものは、精神の安静なのである。”(…箇所は省略部です。)

とても良い文章だと思いませんか。

整理整頓が大切な理由は、能率を上げるためは勿論だが、根本には“精神の安静”のためであり、“秩序としずけさ”のためである。そして、その“精神の安静”を得て創造的な知的生産を実現するのである。と、ここだけでも痺れませんか?整理整頓の意義はそういう事だったのか!と私は目が開きました。

そして物と情報が溢れる今こそ、身の回りに置くものを取捨選択し、“秩序をしずけさ”を実現していかないと、我々はどんどん時代に流されると示唆していると思います。

 

読書について

読書の章についても私は影響を受けています。正直言えば全体的に影響を受けまくっています。

6.読書~本は二重に読む~より抜粋

“読書は罫線を引いて読む。…本に線を入れる箇所には二つの系列がある。『大事なところ』と『おもしろいところ』。…この『面白いところ』は発見の触媒になる。…本をダシにして、自分の勝手な考えを開発し、育てていく。”

読書で著者の思想を理解すると共に、創造的に読書を行い、自分の思想を開発して育てていくという言及についても痺れました。読書をしておもしろいと感じた理由を深掘りして読む、著者が意図しなかった方向へ思想を巡らせても良い、むしろそういった読み方も大切。といった考えは私自身の読書の幅を広げて貰ったと感じています。

 

まとめ

著者の梅棹忠雄さんはこの『知的生産の技術』で、創造的な知的生産を行う為の提案をしてくれています。さすがに1969年発行の古い本なので、時代遅れの言及もありますが、不変的な内容に富んだ本だと思います。

 

最後に~家事の意義~

そして最後に、一応ブログテーマの家事につなげてまとめると、家事も“秩序としずけさ”を求める行為だと考えたわけです。

 

家庭内の整理整頓を心掛けて家事を行う行為は、『時間』が欲しいからだけではなく、生活の『秩序のしずけさ』が欲しいからであり、その努力によって得られるものは、精神の安静なのである。

そして、その“精神の安静”を得て創造的な育児や家事を行い、創造的な趣味や遊びを楽しむのである。

 

ほぼ引用文で内容を家事に置き換えているだけですが、なかなか言い得ていると思います。

著者の言うところの『面白いところ』をダシに読んだ結果です。というには安直すぎるか…

ではまた。